皇宮護衛官
皇宮護衛官は、国家公務員の官職の一つであり、天皇・皇后両陛下や皇族の「護衛」と皇居、御所、御用邸などの「警備」を主な仕事とします。
護衛は、天皇皇后両陛下および皇族の方を確実にお護りする任務を担うだけでなく、国賓や大使などの皇居参内時の護衛も務めます。
いっぽう、警備は、皇居や御所などへの不審者の侵入を防止するだけでなく、一般参賀や宮中行事などの際に警戒・警備にも当たります。
皇宮護衛官は警察庁の公安職の職員として、警察庁の附属機関である皇宮警察本部に所属し、警察官とは別の特別司法警察職員となります。
勤務地は、主として東京都の皇居及び赤坂御用地ですが、他には神奈川県、栃木県、静岡県、京都府、奈良県の1都1府4県にあります。
皇宮護衛官の魅力
皇宮護衛官は、皇族の護衛や警備を担当し、皇族をお護りする責任のある誇り高い仕事となっています。
皇族をお護りするために皇室行事などでも護衛や警備を担当するため、伝統的な日本文化に触れる機会が多くあります。
給料も、国家公務員一般職の公安職俸給表(一)が採用されるため、一般の行政職よりも高い水準となっています。
また、昇任試験に合格すれば階級が上がっていくため、学歴に関係なく努力すればキャリアアップも目指せる魅力的な職業です。
皇宮護衛官は、皇室が存続する限り必要とされる職業なので、将来性のある安定した仕事と言えるでしょう。
初任給与額
初任給 | 大卒232,696円、短大・高専卒202,960円、高卒190,570円 |
---|---|
手当 | 通勤手当、住居手当、深夜勤務手当、超過勤務手当、扶養手当 |
賞与 | 年2回 |
平均年収 | 630万円 |
皇宮護衛官の試験概要 【大卒程度】
受験資格(平成27年度)
- 昭和60年4月2日~平成6年4月1日生まれの者
- 平成6年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
- ① 大学を卒業した者及び平成28年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
- ②短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び平成28年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
皇宮護衛官の試験科目および内容(平成27年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 | 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
---|---|---|---|---|---|
第一次試験 6月7日 |
基礎能力試験(多肢選択式) | 40題 | 140分 | 3/5 | 公務員として必要な基礎能力(知能及び知識)についての筆記試験 【知能分野27題】 文章理解(11題)、判断・数理的推理(資料解釈含)(16題) 【知識分野13題】 自然・人文・社会(時事含)(13題) |
課題論文試験 (記述式) |
1題 | 180分 | 2/5 | 文章による表現力、課題に対する理解力・判断力・思考力などについての筆記試験2題 時事的な問題に関するもの1題 具体的な事例課題により、皇宮護衛官として必要な判断力・思考力を問うもの1題 |
|
第二次試験 7月14日 ~7月21日 |
人物試験 | 非公表 | 非公表 | 2/9 | 人柄、対人的能力についての個別面接 |
身体検査 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 主として胸部疾患、尿、その他一般内科系検査 | |
身体測定 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 身長、体重、視力、色覚についての測定 | |
体力検査 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 上体起こし、立ち幅跳び、反復横跳びによる身体の持久力等についての検査 |
皇宮護衛官の試験地
1次試験地 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
札幌市 | 多賀城市 | 東京都 | 大阪市 | 福岡市 |
2次試験地 | ||||
---|---|---|---|---|
札幌市 | 仙台市 | 東京都 | 京都市 | 福岡市 |
皇宮護衛官の試験実施状況(括弧内数字は女性)
年度 | 申込者数 | 一次合格者数 | 最終合格者数 |
---|---|---|---|
2014年 | 2,307(546) | 135(28) | 44(6) |